Let's Read King's Original Work


最近はどうやらキングの小説も翻訳ペースが早くなって来たようですね。 "The Green Mile" なんかも1年しないうちに翻訳が出ていたようで、 実に嬉しいことです。

それでも中には、翻訳が出るはしから読んでしまい、次の翻訳を心待ちに している方もいらっしゃるかと思います。

そんな方にお勧めしたいのが原作の読破。「そんな、あんなに分厚い 英語の本読めるわけないじゃん」と思われた方。私も最初はそうでした。 しかし、英語の洪水に対する恐れよりもキングの魅力の方が強かったのです。 なにしろ続きが早く知りたいから頑張って読む。おかげで英語の文章を ざっと読む力が随分鍛えられたように思います。最大の効用は英語を 読むのが面倒臭くなくなること。 ふとしたきっかけで米国に住むようになって、随分役に立ったと思っています。

原作をお勧めするのはなにも英語学習のためじゃありません (学習教材としてなら、他に良いものがたくさんあるでしょう)。 キングの原作は、独特のリズムを持っています。そのリズムはまるで 音楽のように読者の中に響いてきます。静止しているはずの活字が リズムにのって動き出すのです。 翻訳者の方々もいろいろ工夫されているとは思うのですが、やはり ある言語のリズムを他の言語で表すのには限界があると思うのです。

とは言っても、いきなり未読の分厚いペーパーバックに手を出すのは さすがに辛いものがあります。私がお勧めする方法は、既に邦訳を 読んだり映画を観て話を知っているものから手をつけること。 わからない単語がぞろぞろ出て来て話を追えなくなりそうになっても、 ある程度話の展開を知っていれば想像がつきます。

辞書はあまり役に立たないと思って下さい。いちいち引いていたら 全然進まないし、そもそも中型の辞書には乗っていない単語ががんがん 出て来ます。全部わかろうとしないで、リズムを掴むことが 読み続ける秘訣かと。

私の場合、中学高校で習った英語と (大学の英語の講義はあまり 真面目に受けてなかった) 、「大草原の小さな家」シリーズを 英語で読んだことがあった程度の経験で、何を思ったかいきなり 邦訳も出ていなかった "The Dark Half" に手をつけました。 最初は濃い霧の中を進んでいるような感じでしばしば絶望的な 気分になりましたが、続きを知りたいという一念でなんとか 読み通しました。そのあと、邦訳を既に読んだことのある作品を 何冊か。最初の3冊くらいを辛抱して読んでしまうとだいたい リズムがわかって来ます。そうなったらもう、電車の中で読むにも 重たい新刊の翻訳書を持たずに軽いペーパーバック一冊でOK。

これであなたもキング通。 但しキングの本で覚えた会話をうかつに実際に使わないように。 「どこでそんな(汚い)言葉覚えたんだい」と驚かれます。


[Addicted to Stephen King] [A Slice of My Life]
Shiro Kawai
shiro@lava.net