キングの事故とその後の経過

2000/10/1現在


1999年6月19日夕方、メイン州の自宅近くでキングは制御を失ったドッジのバンに はねられた。運転手は、載せていた犬に運転を邪魔され制御を失ったという。 キング右足の骨および股関節に複雑骨折を負い、右肺が潰れ、頭皮も切れるという 重傷を負った。事故後の一週間で数回の手術を受けたが、順調に回復し、 7月9日にCentrail Maine Medical Centerを退院。現在は 自宅でリハビリを続けながら、仕事も徐々に再開しつつある。

関連リンク集

経過についてのまとめ (情報源は上記のサイト)

1999/6/19(土) 午後4:30頃、キングがメイン州ノースロヴェルの自宅付近の路肩を歩いていたところ、 後ろから近付いて来たドッジのバンが制御を失い、キングをはねた。バンに乗っていた 犬が運転手を邪魔したのが原因だと言う。目撃者によれば、キングは道路外に4メートル程 (14feet)はねとばされ横たわっており、「明らかに足が折れている」状態であったが、 家族への連絡先を伝えることができる程意識ははっきりしていた。 ナザン・カンバーランド病院に運ばれた後、ヘリコプターでセントラル・メイン病院へ 搬送される。同日夜遅くより第一回目の手術。
1999/6/20(日) 数時間に及ぶ第一回目の手術後の経過は良好で、キングは妻タビサに前日のレッドソックスの 試合結果を読み上げるよう頼んだという。
1999/6/21(月) 午後から二回目の手術。7時間に及ぶ。
1999/6/22(火) 二回目の手術後の経過も良好。執刀したホッパーステッド医師は、 「数週間で補助具を用いた歩行ができるようになり、年内には日常的な活動 (タイピングを含む)ができるようなるだろう。ただし、普通に歩けるように なるには9ヵ月はかかるだろう」とコメント。
1999/6/23(水) 三回目の手術。股関節の修復と足の骨折の処置で、10時間に及ぶ。術後経過は良好。 医師は「関節はほとんど完璧に(1ミリ以内の誤差で)修復できた。 しかし3〜6ヵ月は右足に加重をかけられないだろう」とコメント。
1999/6/24(木) 金曜日に予定されていた四回目の手術は、キングの体力の回復を待って翌週に延期される。
1999/6/26(土) キングの体力は順調に回復し、よく食べ、ジョークを言う余裕もある。
1999/6/27(日) 体力はさらに回復し、椅子に座ることができたという。月曜にまた手術が予定されている。
1999/6/28(月) 四回目の手術も成功。 キングは手術よりもオールスター戦の結果を見られないことの 方を気にしていたそうな。 あとは靭帯をつなぐ手術を行い、その後リハビリに入るという。
1999/6/30(水) ここ2日は何事も無い様子。
1999/7/2(金) 米国はこれから独立記念日の連休。キングは何事も無く、物理療法を受けている。
1999/7/6(火) キングの状態が "serious" から "fair" になった。なんて訳せば良いんだろう。
1999/7/9(金) Central Maine Medical Centerを無事退院。 これからも大変なリハビリが待っているだろうが、一日も早い回復を祈りたい。
1999/7/27(火) オフィシャルサイトに、 タビサによる近況が出ている。リハビリは順調に進んでいる模様。車椅子と歩行器を使って、 ベッドから起きている時間が日に日に長くなっている。事故で中断していた執筆も、 まだ一日に一時間半程だが再開した。現在のプロジェクトは事故の数日前にドラフトが 上がっていたが、更にリサーチが必要で、それは来年になるまで出来ない。したがって 出版も一年程遅れるだろう、とのこと。 キングももう孫がいるんですねえ。
1999/9/7(火) オフィシャルサイトに、 キング本人からのメッセージ。ギプスが半分取れて、90度近くまで 足を曲げられるようになったとのこと。痛みはまだかなりあるが、ゆっくりと 次の作品にとりかかっている。
1999/9/下旬 キングは、自分を轢いたダッジ・キャラバンを$1500で買い取った。 ハンマーで思いきり叩き壊してやるそうだ。(澤井さんから寄せられた情報。感謝。)
1999/11/1 NBCの "Today", "Dateline" のインタビューに妻タビサと登場。相当痩せた感じが痛々しい。 右足に補助具をつけ、杖をついてなら歩けるが、再び普通に歩けるようになるかどうかは分からないという。 以下は印象にのこった会話 (記憶で書いているので詳細は違ってるかも)。

---バンにはねられた時、臨死体験のようなものはありましたか?
King: 「よく言われているようなものは無かったね。でも、一瞬こう思ったのは覚えている。 『もしこれが最後なんだとしたら、いい人生だったな。作家として作品を残せて、妻と幸せに暮らせて、 子供も皆成人したし。いい人生だった』」
---キングをはねたSmith氏は、これまでも何度も交通違反を犯しています。Smith氏に対して 怒っていますか?
King: 「いや、怒ってはいない。それに、彼がいいやつなのか悪いやつなのか、それは問題では ない。ただ、彼がへたくそな運転手であることは間違いない。公共の利益のために、彼の免許が永久停止に なることを望むね」
---この事件のことはこれからの作品に反映されますか?
King: 「まあ、そのうちね。(人生における)全てのことはいずれ入るよ。 私はいつも、突然の事件が人の人生を大きく変えるという話を書いて来た。今回、それが私の 人生にやってきたというわけさ。」
---事故は創作活動に影響を与えましたか?
King: 「事故後はじめてタイプライターに向かった時、全くどうして良いかわからなかった。 まるで、書き方を忘れてしまったようだったよ。初めて作品を書いた12、3歳の時みたいに、 もう一度最初からやり方を学ばなきゃならないって感じだった。」
---書けなくなるかもしれない、という不安はありましたか?
King: 「実のところ、書けるか書けないかっていうのは一番大事なことじゃないんだ。 こうして生きていて皆と話せる、それだけでも十分なんじゃないかって思うよ。」

2000/9/23 キングをはねた人が本人所有のモービル・ホームの中で死体で発見される。 外傷も現場が荒らされた様子も無く、直接の死因は特定されていない。 (tkrさんのサイトの スティーヴン・キングに関するちょっとした話に詳しい情報があります)。

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Shiro Kawai
Last modified: Sun Oct 1 13:09:33 HST 2000