2001年4月

[前月][次月][一覧]:[表紙][映画][King][BBS]


4/27 (Fri) PS2 Linux Kit/就職活動

先週からワイキキで春のホノルル映画祭というのをやってて、 昨日は「バトルロワイヤル」が上映されるってんで 久々に映画館に行こうと勢い込んで仕事を詰めて時間を作ったはいいが、 チケット売り切れで観られなかった。思い立った時に前売りを買っとくべきだった。 観客の反応とかも興味あったのにな。


PS2 Linux Kit。 やるなSCE。 どこの会社でも、公開したって懐は痛まないソフトウェア資産ってのは抱えているものだと思うのだが、 それを実際に公開するには色々乗り越えるべき障壁があって難しいのだ。

以前懸念したライセンスの問題は、EE/GS部だけの公開なら大丈夫なわけか。 でも内部からあそこをリバースエンジニアリングされるとまずいんでないかなあ。 ま、これでEEやGSの内部の話がわりとオープンに語られるようになったら楽しいかも。


私の業界では、プロジェクト単位での仕事をする人も多い。 ひとつの大きなプロジェクトが終ろうとしていて、 幾人もの得難い友人達が別の可能性を探して旅だって行く。 今日もまた一人。


就職活動中の学生さんのweb日記をちらほら拝見。 何十社も受ける志望者よりも、それをさばかねばならない面接官の方にシンパシーを感じてしまう。 とりあえず、内定が取れた数を「何勝何敗」などと称している志望者とは仕事したくないなあ。 貴方は会社と闘っているんですか、と聞きたくなる。

当然のことながら、採用するほうは「一緒に何かを作ってゆけるか」という点を、 様々な条件を勘案して判断しようとしているわけで。 その会社の中で不足する、あるいは伸ばして行きたい能力と、 志望者の方向がマッチしたら来て頂くってわけだ。 逆に能力が高くたってそれが会社の方向とは違ってたら仕方無い。 ひとつのモノサシで評価してある基準以上ならOK、というのではない。

このくらい、グループで何かを作ろうとした経験があればわかるだろうに。 何故、入学試験や資格試験と同じような感覚でいる人が多いんだろう。

4/21 (Sat) Dreamcatcher/headshrinker/翻訳書と原書

スティーヴン・キングの 「Dreamcatcher」 読了。 事故後に書かれたフィクションとしては 初の出版となる。前半はちょっとぎこちなかったが、後半はなかなかスピーディで良かった。 人類の危機があんなことで救われようとは。グロテスクなまでのAbsurdityは 初期のキングを思わせる。詳しい感想はキングのページにあげるとしよう。


Psychiatrist を俗に "shrinker" とか "head shrinker" と言うのは最近の 用法なのかな。手持ちの辞書には出ていない。初めて聞いたのは確か映画 「Good will hunting」 だったかで、その時はぼんやり意味を推測していただけだったのだが、「Dreamcatcher」でも "headshrinker" を同様の意味で使っていたのではっきりした。

新しい単語の獲得は用例ベースで行われるってことか。 自動翻訳ソフトに大量の文章を食わせて自動学習させられないかな。どっかでやっていそうだけど。


続いて「Phantoms in the Brain」に取り掛かる。 どなたかのWeb日記で紹介されていて、 おもしろそうだったのでAmazonに注文しておいたのが先日届いたのだ。 通版で注文するときの常として、他にも2冊ばかり。 自分の読書ペースと購入ペースのバランスが取れているのかどうか、 検証してみるのは怖いのでやっていない。

Web日記で面白そうな翻訳本が紹介されていて、原書が英語で出版されている場合は、 著者名のカタカナから綴りを推測して検索をかけてみる。 ヒットしたタイトルを邦題と付き合わせてゆけば、たいていは原書を突き止められるのだが、 邦題が原題とかけはなれている場合など、内容紹介を見比べながら探さねばならないことも しばしばある。最近は本の紹介からbk1への リンクが張られているのも良く目にするようになったので、 bk1内で翻訳書には原題を併記してもらえると助かるのだが、考えてみればそれをやっても bk1には何のメリットも無いのか。ちなみに原題から翻訳書をサーチすることはできるようだ。

原書の方を買うのは単にそっちの方が入手しやすいし安いからで、 翻訳がすぐ買えれば速く読めるし楽だしそれに越したことは無いのだが…

4/12 (Thu) 民家の軒先で指紋を採られる

生まれて初めて指紋を採られて来た。

グリーンカード申請のために、 police clearance certificateという書類が必要になった。 日本の警察に犯罪暦を照会するんである。申請書には、全指の指紋を添付しなければならない。 申請書は日本領事館でもらえるが、指紋採取は専門の業者がいるとのことで、 紹介された番号に予約の電話を入れて行った。

当日、言われた通りの道順で着いた先には、ごく普通の民家があった。 アドレスは間違いない。不審がっていると、年配の中国人のじいさんがポーチに出て来て 怪しい日本語で「ようこそようこそ。カワイさんね。good morning」と言う。

まあ、こっちでは自宅でホームビジネスをやっている人は少なくない。 自宅兼事務所なんだろう。そう思って、「どうぞどうぞ」と言われるままに ポーチに上がり、「靴は脱いだ方がいいのかな」なんて思いながらそのままドアを開けようとしたら、 「No, no, here」と軒下を指さす。ポーチに放り出されている(と見えた)机の上に スタンプ台が載っている。なんと、ここでやるらしい。 ポーチからは道を隔ててすぐ向こうにスーパーマーケットの駐車場。 そんなところで、両手の指にべっとりインクを付けて、専用の台紙にぺたぺた。 じいさんは英語に混じって「わたしちょとにほんごべんきょうしたね。 ねえさんきれいやね。これがくせいの時の友達におそわった」 といかにもなアクセントの日本語を喋る。 乾かした台紙は、机の下をごそごそやって、なんか広告の封筒みたいのに入れて渡して くれるし。怪しさ大爆発である。

4/9 (Mon) 研究と開発

同僚が今度のSIGGRAPHで 並列レンダリングに関するチュートリアルをやるので、そのコースノートのプルーフリーディングなど。 同僚のプロジェクトは足掛け3年、全てをスクラッチから書きはじめて、 いよいよプロダクションレベルで使われ始めた。60ページ余のコースノートはそれだけで 並列レンダリングの入門書にそのまま使えそうな充実した内容だ。 並列計算の研究動向は就職して以来あまりフォローしていないので見落としているかもしれないが、 細粒度の大規模並列レンダリングを安定して行っているところはあまり例が無いのではなかろうか。

コンピュータグラフィクスで最終的に画像を生成する段階であるレンダリング処理は、 非常に計算負荷が高く、一方で原理的に並列性が高いため、よく並列計算の研究のネタになる。 同僚のシステムも、うちのような場所でやってるから外向けに公開するのは今回が初めてになるが、 大学で研究として行っていれば論文が何本か書けた仕事だと思う。 もっとも、論文を書きながらシステムを組んでいたのでは同じ時間でここまで完成度を 上げられなかったろう。 ただ並列化しました、速くなりましたではない。 既にプロダクションで10年以上使い込まれた商用ソフトウェアと 使い勝手・クオリティの面で張り合って、ユーザであるアーティストに 優位性を納得させなければならない。 そういう要請の下で実現する技術というものがある。

さて、こういうのは応用研究の範疇なんだろうか。論文出さなきゃただの開発なんだろうか。 研究と開発は同じことをやっても向いている方向が違うというだけなんだろうか。 それとも研究ってのは、こんな現場の雑事を離れたところでやらないと出来ないもんなんだろうか。

4/6 (Fri)

妻は、私がコンピュータに向かってプログラミングをしている様を「カチャカチャ」と 呼ぶ。「会社でもカチャカチャ、家でもカチャカチャ、よく飽きないねえ。」へえすみません。 ともあれGauche 0.3 リリース。


上記のScheme実装のからみで、ここしばらく正規表現検索ルーチンの実装方法を考えているのだが、 同じようなことを昨年の中頃にも考えていた記憶があったので、 日誌の古いのをひっくり返してみた。確かに、昨年の9月から10月頃に断片的なアイディアのメモがある。 そういえばちょっとコードも書きかけていたような気がする、と思ってソースディレクトリを 覗いてみた。

…未完成だが、かなり充実したライブラリとTexInfoドキュメントが見つかった。 それぞれのファイルを見ると、確かに書いたような気もする。でも詳細は全く覚えていない。 どこまでは出来ていて、どこから再開すべきかも、コードを読めば分かるのだろうが、 記憶の中からは抜け落ちている。 半年しか経っていないのにこれだけ忘れているということに、恐ろしくなる。

ひょっとすると、「モノを作って形にする」ということに自分が執念を燃やすのは、 そうしなければ全てを忘れ去ってしまう、という恐れがあるからかもしれん。


[前月][次月][一覧]:[表紙][映画][King][BBS]

Shiro Kawai
shiro@lava.net