2001年1月

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1/29 (Mon) 冬/Frankenstein

混雑する年末年始を外して帰省してみたら、滅多にない大雪に当たった。 妻の実家に行く予定だったのが、羽田から飛行機が飛ばずに断念。 東京の私の実家で炬燵にあたりながらごろごろと、 まるで正月休みのような数日を過ごして来た。

「寒い」という感覚をすっかり忘れていたことにいささかショックを受けた。 冬服はクローゼットの奥から掘り出して持って行ったのだが、 顔がつっぱるのと鼻の奥が乾く感覚はまさしく東京の冬。 着いた日の夜にすぐに風邪気味になった。ようやく慣れた頃に再びホノルルに帰還。


今回の機内読書には Mary Shelley: "Frankenstein, or the Modern Prometheus" をピックした。 かの有名な人造人間譚であるが、こういう時でもないと原作を読む機会が無いから。

19世紀前半に書かれただけあって時代がかった台詞回しは慣れるまでは骨が折れたが、 結末への好奇心に引っ張られて読み通した。 造られた人間の方の描写はあんまり具体的で無いのだなあ。 良くマンガなどに描かれるイメージは後世に作られたものか。 情熱に浮かされて人造人間を作ってみたものの、 そいつが生命を得たら怖くなってほっぽり出し、 そいつが身近な人々を殺して行くのを見てただ悲嘆に暮れている Victor Frankensteinの腰抜けっぷりは歯痒いばかりで、 むしろ心情的には造られた人間 (Mary Shelley はこれに名前を与えていない。 "fiend"、"wretched"、"daemon" 等と呼ぶばかりである) の方に同情する。

しかし、未知なるものへの興味から自分の手でコントロール出来ないものを創り出し、 自ら悲劇を呼び込むという物語のひとつの原点であり、まだ完成型として見事だ。

1/23 (Tue) 近況

夫婦で子供の名前を考えるのに悩んでいる。と言っても子供が出来たわけではない。 ずーっと前に買ったまま、やる時間が無くて手をつけてなかったプレステのゲーム 「俺の屍を越えてゆけ」を掘り出してやっているのだ。このゲーム、 桝田作品の例にもれず、ものすごく丁寧に作ってある。おかげで夫婦揃って寝不足だ。


先週末はKaneoheの同僚宅でパーティ。海のすぐそばに一軒家を借りていて、 綺麗な庭もある。Kaneoheは島の北東にあたり、ホノルルからは山を一つ越える。 ホノルル側に比べると住宅はかなり安いらしい。 山を越えると言っても道が空いていればダウンタウンから車で20分程度だ。 ハワイに居る間に一軒家にも住んでみたい。 ただ、山向こうは雨がやたらに多いのが困りものだ。


プログラミングのことについてはこの日記でもいろいろ書いて来たが、 私が普段から言いたい言いたいと思っていたようなことはもうとっくにwebに載っていた。 そのスジでは有名らしい: 「Cプログラミング診断室」 「(コ)の業界のオキテ」。 どちらも数年前に本になっている内容だが、著者の方が全文をwebでも発表している。 参照されているデータは古いが、内容の核心は現在でも変わらない。

1/17 (Wed)

プログラミングの話。

Schemeの信奉者である私は、公私に渡ってフリーのScheme処理系STkのお世話になって来たのだが、 その後継バージョンであるstklosが今朝公開された。 バイトコードにコンパイルしてVMで実行。GUIツールキットとしてGTk+に対応。 うーん素晴らしい。のであるが、ちょっとというかかなり複雑な気分なんである。

というのは、STkの更新がしばらく止まっていたのと、 使っていていろいろ根本的に拡張したい部分も出て来たので、 昨年暮れから自前の処理系を書き始めていたのだった。 基本的な部分が完成して、 一世代前の規格であるR4RSの範囲でインタプリタが動作するようになったのがほんの数日前。 当方もSchemeを中間コードにコンパイルしてVMで実行する形式であり、GUIツールキットとして GTk+を採用することにしている (まだそこまで進んでないけど)。 ガベージコレクションにBoehm-GCを使っているところも一緒。

実のところ自分でScheme処理系を書きたいという欲求は年に1〜2度頭をもたげる発作のようなもので、 ここ7〜8年の間にプロトタイプ的なものを何度も書いて来たのだった。 一時はCにコンパイルするトランスレータまで書いた時期もあったが、 パッケージ化して使えるレベルにしてリリースする、という作業まで至らずにディスクのゴミと化していた。 今回はもちっと気合いを入れて、日常の業務に使える段階まで持って行こうと決心して、 プライベートな時間をつぎこんでいたわけである。

さて、どうするか。完成度としてはstklosの方が少なくとも数ヵ月分は先を行っている。 より早く使える処理系を手にするには、そちらの開発に協力する方が良い。 でもなあ… 自分の作った処理系ってのは可愛いんだよなあ…

1/12 (Fri) DSLが来た/ハワイは物価高?

集中モードに入っているので他のことがあまり考えられない。あっと言う間に一週間経った。 書いたコードの量は順調に増えている。


ついにDSLがつながった。とうとうこれで常時接続環境の仲間入り。 まだスループットは測っていないけど、使用感は会社からネットに繋ぐのとほとんど変わらないようだ。 何かを調べる時はネットに当たる、という習慣がついているので、 速度よりも、思い立った時にすぐにネットを参照できるのが良い。

2台あるLinuxマシンのうち、旧い方にEthernetカードを2枚差しして ルータ兼ファイアウォールに使うことにした。 ipchainsコマンドをいろいろいじくって、外からの接続を原則として拒否するように変更。 デフォルトでは全開になっているようだ。 常時接続環境で全ポートを開けておく大胆さは私にはない。

工事そのものは実に簡単だった。契約申し込みはWeb。self installationを選べば 工事の人が来ることもなく、DSLモデムとフィルタが送られて来るので自分で取り付けるだけでよい。

ただ、それ以外の部分でいろいろと問題はあった。 まず、Web上で指定したISPとは違うISPにリクエストが送られたらしく、 ノースカロライナ州の聞いたこともないようなISPから問い合わせが。 問題を修正すべく電話会社の指定された番号にかけたら、 「ここの部署の担当じゃない」とたらい回しにされ、その度に事情を説明する羽目に。 で、結局自分でISPと個別に手続き。これなら最初から個別にやったほうが早かったかも。


asahi.comにて、「『引退後はハワイ』ブーム、物価高が悩み」という記事に目がとまる。 引退した人が数ヵ月の外国暮らしを経験してみるのに、ハワイが人気だとか。しかし、

ほとんどの食料品を輸入に頼るハワイは米国でも物価が高い。あこがれのハワイで暮らすには、 年金だけではやや苦しいようだ。

3ヵ月契約で借りたワイキキ近くの部屋の家賃は月1450ドルで、食費が800-1000ドル。 「交通費や雑費などを合わせると、1ヵ月に30万円はかかります」。

はあ。そりゃワイキキやダウンタウン周辺なら$1500程度のアパートメントはざらだ。 セキュリティがしっかりしていて、歩いて行ける範囲に日本語の通じる店が何でもあって… となるとなおさら。だけどちゃんと探せばホノルルでも安いところはある。 そもそも、悠々自適の老後生活なら通勤の必要もないのだから、 ちょっと街を外れればぐっと安くなるし。 確かに、どこでも比較的安全で便利で小綺麗な日本の基準に比べたら、 高いところと安いところの差は大きい。 海が見える高層コンドミニアムなんかを見せられちゃったら、 「せっかくハワイに住むんならこのくらい」と思ってしまうんかいな。

食材も、米国本土に比べると高いのは高いが、 もともと米国本土では日本の基準ではばかみたいに安いものが多いのだ。 ハワイでだって選んで買えばそんなに高いわけでもない。 ただ、日本食は豊富とはいえ輸入もんになるから当然高くなる。 別の国に移ったにもかかわらず食生活を変えたくない、というのなら食費が高くつくのは道理だ。 交通費ってったって、バスはどこまで乗っても$1だし、 車だって維持にかかる費用は日本よりずっと安いんではなかろうか (本土に比べたら車そのものの価格もガソリン代も高いけど…今は1ガロン(3.75l)で$1.90くらい)。

結局、いい暮らしをしたけりゃ金がかかるというだけじゃなかろうか。 ハワイは高い、と短絡的に言われると、ちょっとなあ。

あ、でも、ベイエリアやNYCで格安DSLの話を聞くと、うらやましいと思う。 今のところハワイでは、電話会社に払うのが$30/月くらいで、プロバイダが$30-$50/月くらい。

1/5 (Fri) 考えるのにも体力が要る

ここ3週間くらい、あるプログラムを書こうとしていて、それが頭の中をぐるぐる回っている。 頭のエンジンがフル回転してるが、車輪が砂にはまって抜けないような感じ。

デザインの選択に影響を及ぼす要素がいくつもあり、それらは相互に関連している。 無数にあり得る組合せの中から、実行効率と実装上の難しさのパランスが取れた組合せを 選ばなければならない。それぞれの要素については優劣を論じている論文がいくつもあるのだが、 では我々のような使い方でその議論が有効か、という点になると、 最終的には実際に作って試してみるまでわからない。 しかし作って試すには、デザインの基本線だけでも決めておく必要がある。

こういう、循環する問題は、 一つ一つ解決しようとしていると巡り巡ってもとのところに戻って来てしまうのでうまくない。 ある点でえいやと土台を組み上げてしまう必要があるんだが、それまでは 相互に関連するいくつもの考えのスレッドを並行してすすめなければならず、 脳味噌を絞っているような感覚にとらわれる。


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1/3 (Wed)

長年の疑問に決着をつけるべく、一本のビデオを借りて来た。 映画 "The Fischer King"。この中で、ロビン・ウィリアムス扮するパリーが 捨ててあったシャンペンの栓のカバー (シャンペンのコルクを止めている針金状のもの) から "sometimes you find beautiful things out of trash" とかなんとか言って 小さな椅子を作るシーンがあるのだが、さて、それをどうやって作ったものかが思い出せない。 何度かスパークリングワインを飲む機会があったので妻といろいろ試してみたが、 うまく椅子にならなかったのだ。

問題のシーンは一瞬だったが、十分に構造を見てとることができた。 なるほど、下部のリング状の針金を一回外さねばならなかったのだね。 ところが、これを外すのに苦労した。ペンチを持ち出してぐりぐりと。 映画の中ではロビンがこそこそっと手の中で作ってたけど、あれは絶対に無理。

1/2 (Tue)

今日まで休み。昨年のクリスマスに男の子を出産した友人宅を訪れる。 両親ともロシア出身。赤ん坊も、生まれてほんの数日だけど、顔はしっかりロシア人。 クリスマスイブのパーティーには夫婦で来ていて、かなり遅くまで楽しんでいたのだが、 その翌日の早朝にもう生まれたのだそうだ。 それにしてもかわいい。

1/1 (Mon)

新年/新世紀はMakakilo山の上で迎えた。 大晦日の日が暮れるとすぐに、街では花火が始まった。 その音を遠くに聞きながら、焚火を囲んでシャンパンとケーキ。 寝転ぶと星が綺麗だったが、冬にキャンプをしたことは今まで殆んど無かったから、 星座が全然わからない。

帰宅してから、正月休みに観る予定だったビデオを一気に消化。


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Shiro Kawai
shiro@lava.net