2000年3月

[前月][次月][一覧]:[表紙][映画][King][BBS]


3/31 (Fri) The Road to El Dorado

DreamWorks Animation Studioの2作目のアニメ、"The Road to El Dorado" は 楽しい冒険映画に仕上っていた。ミュージカル風の作りではあるが、明らかにディズニーとの差別化が 図られている。どこまでも人畜無害なディズニー作品に比べ毒があり、より人間くさい。

3Dと2Dの融合は非常に見事で、ほとんど質感の差を感じさせない。(黄金の部分だけ ちょっと浮いていたが、あれはわざとかな)。また、"Prince of Egypt" の出エジプトのシーンで見せてくれた水のエフェクトが今回もいろんなショットに登場し、 目を楽しませてくれる。

3/30 (Thu) プラットフォーム格差

止むに止まれぬ事情で、これまでLinuxオンリーだった自宅のPCに Windowsをインストールした。ディスクを増設して入れたのだが、ひとつ困ったことが。 WindowsをセカンダリのIDEから起動させる方法がわからない。 Linuxをセカンダリに変えると、Linux内の設定をいろいろいじらなくちゃならない。めんどくさいなあ。

事情というのは、先日、電子ブックeBookのみでの出版となったスティーブン・キングの短編 Riding the Bullet を読むためだ。これは暗号化されたPDFで配布され、専用のリーダーソフトウェアでないと読めない。 このリーダーソフトがWindows上でしか動かないのだ。暗号化が絡む以上、Linux版が出る可能性は あまり高く無さそうだ。 ちょうど関連する ZDNetの記事があったが、こういう形でプラットフォーム間の格差が生じてしまうのは どうにもくやしい。

あ、今調べたらeBookリーダーにはPalm OSバージョンもあるんだな。Palmごと買えば良かったかなあ。


mvがタイムスタンプを変えない(3/30) のはこういうこと:Unixでは「ファイルの名前」と「ファイルの実体」は別々に管理 されている。ディレクトリというのは「名前」から「実体」へリンクを貼ったもんと思いねえ。 mvは原則として、このリンクの場所を動かすだけなので、実体のタイムスタンプは変更されない (そのリンクを格納しているディレクトリのタイムスタンプが変更される)。 こういうメカニズムなんで、ひとつの実体に複数の名前をつけることも簡単にできる。

このモデルを知らないと、いくつかのUnixの振舞いは理解しがたいかもしれない。 例えばファイルの消去コマンドrmは、単にリンクを消す操作である。 対応するシステムコールがunlink()なのがそれを表している。 (どこからも参照されなくなった実体はシステムが検知して消去する。) したがって、ディレクトリの変更権限があれば、ファイル自体の変更権限が無くても ファイルを消せてしまう。これを防ぐ方法もあるが、Unixを始めたばかりの時は この振るまいは直観に反することのように思える。

プログラムの新しいバージョンをインストールするとき、cpで上書きしてはいけない。 誰かが使っているかもしれないから。でも、一旦rmしてcpするのは良い。何故なら、rm したときにリンクは消されるが、ファイルの実体は誰かが使っている限り残っている。 このファイルは名無しのファイルとなり、新しいバージョンをcpしても上書きされない。 ネットワークで共有しているファイルだと話はちょっとややこしいのだが、まあ普通はこういうこと。

3/29 (Wed) Boys Don't Cry

昨日のメンテナンスは予想以上の効果が上がっているもよう。 平均トランザクション時間が半分になった。しめしめ。


遅ればせながら、Hilary Swankの演技が評判の "Boys Don't Cry" を観て来た。 こりゃ確かにすごい。すごいが、あまりに救いが無い話なんで、人に薦めるのを 躊躇してしまう。 Hilary Swankの演技のインパクトと、映画としての後味の悪さのミスマッチが 映画館を出た後にも妙なしこりを心に残す。

ネブラスカ。端正な顔立ちの21歳の青年Brandon Teena (Hilary Swank)は バーやクラブに入り浸り、女の子に声をかけ、知り合った人の家を点々とする生活を送っている。 彼は気さくで、何にでも興味を持ち、すぐに誰からも好かれるが、時々ものすごく不安そうな 目をする。彼には秘密がある。彼の本名はTeena Brandon、 生物学的には女性、診断名は性同一性障碍。 女性の身体と男性の心の間に引き裂かれそうになる自己を何とか現実につなぎ止めようとしていたのだった。

自分の認識するアイデンティティと現実とが解離しているという状況は、 なかなか理解しがたいものがある。だが、もしそうなったとしたらどう感じるのか、 Hilaryの演技から少なくともそれは伝わって来るような気がする。 多様性に寛容で他人に無関心な大都会ならば (Brandonはしょっちゅう「メンフィス」だの 「ハリウッド」だのと口にする)、あるいは何とかやっていけたのかもしれない。 ネブラスカの田舎では、彼の悩みを理解できる人は少なかった。そして救いの無い結末。 こりゃ辛すぎる。

3/28 (Tue)

夜中にサーバプロセスを止めてのメンテナンス作業。各15分のステップ×4工程で終わると 踏んでいたのだが、1ステップに30分かかることが判明した上、途中で間違いに気付いてやり直し たりして、はまったまま夜が更けてゆく。 各工程はただプログラムをだーっと走らせているだけなので手持ちぶさたなのだが、 こういう時こそサーベイに励まなければ。私のオフィスの隣はゲームラボであり、 日米の主要なゲーム機と話題のソフトが揃っている。今夜の調査対称はスペースチャネル5である。 これは、ヘッドフォンをしてやっていても思わず足を踏み鳴らしてリズムを取ってしまうため、 昼間は近所迷惑になるから出来ないのだ。 アップ、ダウン、チュスチュスチュス、やった、シチョーリツ100%クリア! と余韻にひたってスタッフロールを眺めてたら、最後の最後で失敗。ああくるか。

3/27 (Mon) バカンス

先日マーケットで韓国製カップ麺をいくつか買って来てみたのでひとつ試してみる。 私のおぼつかないハングルに間違いがなければこれはユッケジャン味のはずだ。 ああ、スープが紅い。辛いのはわかったが牛肉の味がついていたのかどうかはついぞわからなんだ。 でも旨かったからまた買おう。


同僚に、いとこ一家が6日間の日程でハワイに来てるんだと話したら、 「ずいぶん短い滞在だねえ」だって。私の感覚からすると、家族が揃って一週間近く 休みを取れるっていうのはそれだけでずいぶん贅沢なことなんだが、 休暇が4週間だ6週間だと言っているヨーロッパ人にはこの感覚は分かるめえ。

うちは共働きだったし、私も妹も部活で年中家をあけてたせいもあるのかも知れないが、 3泊以上の家族旅行をしたのは確か私が小学校の時が最後だ。2泊3日なら中一日ゆっくりできて のんびりしていいなあ、という感覚である。以前は、数週間という休暇があったら することが無いんじゃないかと心配した。 することが無いことがポイントなんだとは気付かなかった。

今なら確かに、 1週間かそこいらでハワイを満喫するのは難しいということは理解できる。 いろいろ体験しようとすると1週間くらい駆け足で終わってしまう。 2週間くらい滞在できれば良い。あるいはやることを絞って楽しむかだ。

ハワイの天候はしょっちゅう変わる。昨日みんなを浜に連れて行った時は 風が強く、曇りがちだった。晴れて風の無い日に行けばまた印象が違うだろう。 同じところにゆっくり滞在して、気候の微妙な変化を楽しむ、そんな休暇を過ごせたらいい。

3/26 (Sun) なんか違うぞグリーンマイルの宣伝

いとこ一家を乗せてオアフ島巡り。 正確には私の父親のいとこなのだが、私から見て何と言うか知らないのでいとこと言っておく。 歳は私とひとまわり程しか離れておらず、私が小さい頃隣同士に住んでいたのでずいぶん 可愛がってもらった。今は小学生と中学生の子供が二人。家族でわいわいやってるのを 見てると、家族っていいなと思う。


大変だ。スティーブン・キング原作、フランク・ダラボン監督の「グリーン・マイル」、 この週末から日本公開だったが、これまでも伝え聞く宣伝方法がどうも「ハリウッド大作!」「感動!」 「アカデミー賞ノミネート!」(←結局無冠だったけど) を前面に押し出しているらしく、映画に変なバイアスをかけているんじゃないかと気になってた。 なんかこういうの (3/27日付け、「スピルバーグが4回泣くグリーンマイル」)を読むとどうもその危惧は現実のもののようだ。 しかも死刑制度とか人種差別について問題提起してるなんて宣伝まで流れているのか? ああああ、全然違うのにぃぃぃ。と身をよじってみる。

一つの作品を解釈する方法は無数にあり正解は無いってことは分かっているが、 それでもこの映画を観て感動の涙にむせんで「よかったねー」なんて言い合いながら 映画館を出て来る人がいたとしたら、その人は重要なところを見落としてると思う。 エピローグで、観客は谷底に突き落とされるんだよ。 それまでの涙も一気に引いてしまう程恐ろしい場面なんだよ。 あんなこと言われておまえさんどうするよ。明日からどうやって生きて行くよ。 聞かなかった振りしていつも通りの日常に戻るのかい。それでいいのか本当に。 とまあ、人生そのものが問われる映画なんである。 これから観に行く人には、とりあえず「感動」をあてにしないで観て欲しい。

つうかあれかな。日本の配給会社は「タイタニック」で味をしめたみたいに、 大量に宣伝を投下してブームを起こしてがばがば儲けようとしてるのかな。 ただ「グリーン・マイル」は、泣けたとしても気持の良い涙じゃないからねえ。 スカッとするなら「ショーシャンク」の方がずっと適している。 もちろんこれで製作会社が儲かって、ダラボンが次作「霧」に専念出来れば それに越したことはないんだけど。

ここで色々言っても仕方ないんだけどね。キング本人は、 「私はこの話が好きだし、あなたもこの話を好きになってくれたら嬉しい」と言うだろうしね。

3/25 (Sat) 贅沢な週末

友人G宅に招かれる。プール付きのでっかい家。テラスから海が見える。 庭で昼食をとって、そのままプールに飛び込める。 家族で住むならこういうとこも良いなあ。Gにはいたずらざかりの子供が3人居るんだが こういう環境で育てられるのはいいことだと思う。

その後皆で鯨を見に行った。もうそろそろシーズンも終わる。 今日は遠くで呼吸をしているしぶきがちらちら見えたが、水面に姿を現すことはなかった。

いとこ一家がハワイに来ているので夕刻から合流。ロブスターが食べたいというので Red Robsterへ言ってみたらすごい行列だった。1時間半待ちというので諦めて、 近くにある中華のDinastyへ。こちらでロブスターを注文したら、3ポンド近い巨大なのが出て来た。 これまで$8.99とかのちっこいロブスターしか食べたことがなかった私には贅沢な体験である。 いとこの娘が「えびは嫌い」と食べる権利を放棄したため腹一杯食べる。

3/24 (Fri)

昨日書いたCの受難だが、EU域内全てが国内線扱いというわけではないらしい。 特別な協定を結んだ国の間でのみ入国審査が免除されるということなので、 例えばアムステルダムからロンドンを経由してブリュッセル行きがみつかれば良かったとのこと。

ホノルルに来て2年半にして初めて、ワイキキの浜辺に面するバーで飲んだりしてみる。 こういうのも悪くないなあ。しかし、最初は映画「セブン」のことを話していた筈なのに、 いつのまにか話題はキリスト教と仏教の違いになって来て、何故かわたしが仏教に詳しいことに なって説明を求められて四苦八苦(←これも仏教由来の表現だ、ということは知っているが 四苦と八苦の中身までは覚えてない)。仏教文化に多少慣れ親しんでいるとしても、 人に説明出来る程理解しているわけじゃないからな。

教養としての宗教、っていのうがあっても良いかも。英米文学を読んでる時にはやっぱり 聖書の知識があった方が良いし、中東の事情を理解するにはイスラム教と人々の生活の 関連を知っといた方が良いだろうから。

3/23 (Thu) It sucks.

2週間休暇を取って、8年振りにコートジボワールの実家に帰っているはずのCの声が オフィスから聞こえた。はてな。何かあったんだろうか。

事情を聞いたらこういう話だ。ハワイから彼の故国へは、北米・ヨーロッパ経由で 何度も飛行機を乗り継ぎ、まる2日近くかけて帰らねばならない。ところがその乗り継ぎに 一箇所、オランダのアムステルダムからベルギーのブリュッセルへの便があった。 EUになったせいか、この便は国際便とはみなされなないらしい。 つまり、北米からアムステルダムに着いてこの便に乗り換えるためには 入国審査を通る必要がある---ビザが要るってことだ。Cはビザを持ってなかった。

全部同じ航空会社だったら事前に警告してくれるなり、一旦国外に出る別便を用意するなり なんか手はあったんだろうけど、彼はいろんな航空会社を乗り継いでいたためそれもかなわず、 結局アムステルダムから引き返して来ることになった。故国にいる両親はきっと楽しみにしてたろうに と思うと残念である。

そりゃ事前の調べが足りなかったCにも責任はあるんだろうけどさ。 通過ビザくらいその場で発行してくれてもいいじゃんねえ。 まあ、あんまり緩くするとそれはそれでまずいことになるんだけれど… うんと未来には、国という概念も無くなって、こんな話も昔話になるのかな。 かつて日本では通行手形が無いと国内旅行もできなかったんだってさ、と現代の我々が振り返るように。

3/22 (Wed) 数列問題結果

このところハワイはまた天候が不安定。30分おきに降ったり照ったり忙しい。 旅行するかたはご注意。今週末にいとこ一家が来るのだが大丈夫かな。

"FOR LEASE" の看板の目立つダウンタウンを歩きながら経済談義。 まだ不景気は続いているのか? 旅行者数は回復しているようだが---いや、 どうやらみんな遊びに来ても金を使わなくなってるらしいとのこと。好景気の アメリカはともかく、日本からの旅行者の財布の紐が固いのが辛いらしい。


昨日の数列問題。アップロードした直後に Longbllow日記のRさんが正答されたのをはじめ、 現在までにDaisuke氏、 Rumakan氏四方ラムタ氏 の計4名の方から正答を寄せて頂いた。 次のパラグラフに解答を示す。一応、文字を背景色と同じにしてある。

1を "1個の1 (One one)" と読み、11が得られる。 11を "2個の1 (Two ones)" と読み、21が得られる。それを One two, one one と読み1211が得られる。以降、One one, one two, two ones で111221、 Three ones, two twos, one oneで312211。 したがって次に来るのは、One three, one one, two twos, two onesで13112221。 さらに続けると、1113213211、31131211131221… このアルゴリズムの応用は、2値画像の圧縮なんかに使われている(ランレングス符号化)。 2値画像では0の連続や1の連続が多いので、そういう部分を上記の方法で置き換えてやると サイズがぐっと小さくできるのだ。

ところで、Rumakan氏からは関連してこのような問題を教えて頂いた。 アルゴリズムをちょいと変えて、次のような数列にする:

0, 10, 1110, 3110, 132110, 13123110, 23124110, …

(3/24追記:つまり、数字の位置に関係なく各数字の出現個数を数える)

これだと、1433223110に達したところで変化が無くなる。さて、初期値0ではこのように 収束するわけだが、他の数字から始めた場合にも収束するのだろうか、という問題。

解析的に考えるのは苦手なので、ざくっとコードを書いて走らせてみたところ、収束する場合と 振動する場合とあるみたい。例えば9999から始めると191524134231と191524232241 の間で振動するようになる。 どういう条件の時に振動するのか…はちょっと私の手に負えないかも。 一応コードはこんなの

3/21 (Tue) 数列1, 11, 21, 1211, 111221 の次は?/Mission to Mars

イカサマな日々(3/21)の数列の問題はちょっと変わってて面白かった。 あれはプログラマな人だと解きやすいかも。

数列パズルで思い出したのは、以前うちのR&Dチームでディナーに行った時、同僚が出して、 食事そっちのけでさんざん頭を捻らされ、一人を除いて皆降参した問題。 私も最後まで粘ったがギブアップした。こんな問題である。

1
11
21
1211
111221
312211
...
この数列の規則をみつけて後を続けよ。

聞いてしまえば非常に簡単な規則なのだが、お分かりだろうか。


評判がめちゃくちゃ悪い De Palma監督のSci-Fi映画 "Mission to Mars" を観て来た。 予告編で、まんま「2001年」から取って来たようなシーンが出て来たのに興味をひかれたのと、 ここまで評判が悪いと却って好奇心をそそられたため。

オープニング最初のカットは秀逸。前半1/3くらいは悪くない展開だったが、 それ以降がいただけない。Gary Sinese、Tim Robbinsといい役者を 備えているのに全くもったいないことである。なまじキューブリックの 後追いなどせずにB級Sci-Fiっぽくまとめれば面白かったと思うんだけどな。

3/20 (Mon) 花粉症/継続/バトルロワイヤル

週末を利用して4日間だけ東京に帰った。あちこち回って人と会ったりしていたので えらく長く旅していたような気もするし、あっと言う間だったような気もする。 予定を縫ってドクターエンドーオフに顔を出せるかと思ったが無理だった (実はニアミスしてたかも)。

滞在3日目から突然くしゃみが止まらなくなった。これはもしや花粉症。 部屋の中に居ると落ち着くのだが、外に出てしばらくすると目と鼻が痒くなる痒くなる。 家に戻ってもしばらくは止まらない。 2日目まで全く何ともなくて、夜に会った友人Hが花粉症なのに同情してた時、 翌日は我が身に降り掛かろうとは露ほども考えなんだ。

友人の出演する芝居「三人姉妹」を観た。再演だが、前回に比べ役者陣が確実に 実力をつけていた。この劇団の公演は数年に渡って観させてもらっているが、 継続的に力をつけてきているのがわかる。社会人劇団である以上、役者達はすべての時間を 稽古につぎこむことは出来ず、一回二回の公演でぐんぐん伸びるというわけには行かない。 が、何年にも渡って続けることで、確かにその蓄積というのは目に見えてくるのだなあ。 粘り強く継続している彼等に脱帽。


以前から読みたかった「バトルロワイヤル」(高見広春)をようやく入手。 帰りの飛行機の中で一気に読む。一気に読ませるだけのものはある。 しかしモチーフはまんまキングの「死のロングウォーク」だな。 「ロングウォーク」の20年後に同じテーマを持ち出した意義は何だろう。

「ロングウォーク」では、狂気のゲームを支配する権力構造というものは 敢えて間接的にしか示されず、また直接競争相手に手を下すのはプレーヤーでは無い。 一方、「バトル〜」では権力は明らかに悪者のファッショ政権であり、 プレイヤー同士が直接対決するという設定が「殺らなければ殺られる」という状況を より直接的に示す。要するにわかりやすい。わかりやすい方が エンターテインメントとしては受けるのかもしれない。 でも、その分、我々の社会の投射という側面は薄くなった。

60年代のいろんな闘争の後に生まれた我々には、闘うべき権力というのは 明確な対称として意識されることが少ない。むしろ社会構造は目に見えぬ蜘蛛の巣の ようにいつのまにか我々の意識を縛っている。例えば差別問題やら国旗国歌問題やらでも、 それを成立させている社会構造に目を向けるのことなく個人の意識の問題に帰着させる 論調が多いように。目に見えぬ構造に絡め取られてゆく空恐ろしさを表現するには、 「ロングウォーク」の緩慢なペースと間接的な表現は適切だったと思う。

「バトルロワイヤル」は同じテーマを違う方法で料理したとも言える。 社会性を捨ててエンターテインメントに徹しようとした。それは良いと思う。 しかし、この小説に附属して語られることの多い、「すごい問題作」「反社会的」という 評価はどうかと思う。描かれている世界は明らかに現実の世界と違うのだから。 社会的な問題提起という意味では「ロングウォーク」やシャーリー・ジャクソンの「くじ」 の方が衝撃は大きい。

3/15 (Wed)

最近、日本に行った時に使ったクレジットカードがひと月遅れでチャージされるようになった。 今日届いたbillが予想以上に高額だったのでびっくりしたのだが、1月中旬に帰った時のが 2月中旬の日付でドルに換算されてチャージされたのが原因。以前はせいぜい数日遅れだったと思うのだが… 今回はたまたま、若干円安に振れた時に換算されていたのでちょびっと得した。


昼食からオフィスに戻る時に同僚と議論していたら、 車寄せと歩道を分けるために設置してある高さ60cmくらいのコンクリ製の柱に膝から激突した。痛い。 通い慣れた道なのに、まるでその傷害物は、 私にぶつかるために突然地面からせり出したかのように唐突に現われた。 いや、単に前を見てなかっただけなんだけど。

交通事故の加害者の証言には、「直前まで何も無かったのに、次の瞬間、突然歩行者が目の前に現われた」 とかいうのが多いそうだ。単に前を見ていなかっただけなのだが、 主観的に、あたかも物体がワープしたかのように突然目の前に現われる、 という感覚を得るのが面白い。 感覚器から入力される情報は、一瞬一瞬ではごく断片的なものに過ぎない。 我々はその情報を脳内に構成された周辺状況データベースに刻一刻と追加し、 情報が入らない部分は適当に補間することによって、 自分の周りを取り囲む連続的な世界を認識している。 特定の方向からの入力が一時的に欠如すると、脳は手持ちの情報を使ってその部分のデータを 埋めようとする。そこに、ふと目をやったときに予想しなかったものがあると、 脳内のデータベースでは「何も無かった空間に突然ものが現われた」ように感じるわけだ。


明朝から日本行きなので、ばたばたしている。 帰宅してからやりのこした仕事に気付いたので、朝早くにオフィスに寄らねばならない。 しかし休暇だと思うとついつい夜更ししてしまう。飛行機でたっぷり寝れると思うとなおさら。

3/14 (Tue) 作られたモノのカタチ/予告編

こないだベンダから取材受けたのが 記事になってた。ベンダの広告記事なんで、良いことしか書いてないし、 技術的詳細には踏み込んでいない。ま、間違ったことは書いてないのだけれど、 何だろう、こう、限られた字数で綺麗にまとめられると、妙な違和感がある。

確かにメインでシステムを書いたのは自分だし、それがプロダクションの 重要な部分の一つを担っている。 しかし、システムが今の形になるまでに、数え切れない程のミーティングで、 やり方を巡っての激しい議論があった。トライアルアンドエラーのサイクルの 中で、不完全なツールを作業量でカバーするためにスタッフ達は余分な作業を 強いられた。サーバーがダウンして徹夜でリカバーしている時、 自分の仕事の大変さを愚痴ったが、ネットワークの向こうには締切を直前に控えて じりじりしながら復旧を待っているスタッフ達がいた。 どんなシステムも、単独では完成し得ない。パズルの1ピースに過ぎないこのシステムが 不完全ながらも運用を続けられるようになるまでには、他のスタッフ達の存在が 不可欠であった。「助けてもらった」とかいうのとはちょっと違うかもしれない。 彼等は彼等の仕事をして、私は私の仕事をしていた。ただ、その間にあるリンクが、 システムのカタチを決めたのだ。

一片の紹介記事からは、それを支えている膨大な「何か」を読み取るのは難しい。 ということが、当事者になってみて良くわかった。 だいたい記事内の画像は私の書いたシステムとは関係ないもんなあ。

技術的なことは、5月のJapan Lisp Users Group Meetingで喋る機会を得た。 準備しとかないと。


今週末に友人の芝居の公演があるので日本にちょろっと帰国するのだが、 San Jose出張やら何やらでまだ予約したチケットを受け取っていなかった。 ところがトラベルエージェンシーと連絡が取れない。いつかけても留守電。 出発は明後日。一人でやってる小さなエージェンシーなんで、 本人がガイドか何かに出ているのだろうが、さすがにちと焦る。 夕方になって電話がかかってきた。ほっ。


夕刻から会社の近くのDole Canneryで、映画の予告編の社員向け上映会。 先週Las Vegasで開催された、映画配給会社向けのイベントShoWest 2000 のために用意された予告編なんで、多分一般公開はもっと後だと思う。

いくつかのカットはディスプレイ上で見ていたし、フィルムに焼いたものも 会社のスクリーニングルームで見ていた。でも、映画館の大スクリーンに写されると、 受ける感じが全然違う。ディテールは、存在感に大きく影響を与える。

3/13 (Mon)

出張中たまっていた200通近いemailを処理。こういう事態を避けるためには 出張先からもアクセスしてチェックすべきなんだろうなあ。 そうすることは難しくは無い。けれど、なんか見えないヒモで繋がれてしまっている ような感覚がしてなんとなく避けてしまうのだ。 旅は、そういう日常から離れることにこそ意味があるのだし。

まあ、出張は仕事なんだから、旅ではなく日常の一部として見倣すべきなんだろう。


先週韓国に帰省していた同僚のYさんが、キムチをお土産に買って来てくれた。 早速、炊きたてごはんと一緒に頂く。はあ、これが韓国のキムチかあ。辛さはそんなに 無くて、むしろ日本の白菜漬けみたいな酢っぱ味があり、他にもいろいろな要素が 複合してリッチな味わい。1kg買って来てくれたんだけど、あっという間に無くなって しまいそうだ。

3/12 (Sun) Impressions of San Jose/Game Developers Conference

3/7朝ホノルルを出て、LAで乗り換え、飛行機の窓からSan Joseが見えて来た時は とっぷり日が暮れていた。眼下一面に広がる夜景は規則正しい街路を浮かび上がらせていて、 最初に出た感想は「都会だ」…見慣れたホノルルの夜景など、ほんの一区画に収まってしまいそう である。San Jose国際空港に降り立った時はあいにくの雨で、ハワイの気候に慣れきった 一行は寒さに打ち震えた。 その後、San Jose在住の 遠藤さん大輔さん と食事。ちょっと遠藤さんとの間だけで盛り上がってしまって、他の人を退屈させてしまったかも。 遠藤さんのオフィスで色々面白いものを見せてもらったりする。

3/8からは今回の出張の目的である Game Developers Conference に参加。朝から晩までコンベンションセンターに缶詰である。 まだ歴史の浅いカンファレンスで運営がちょっとばたばたしていたが、 中身はかなり充実したものだった。SIGGRAPHとは違った意味で濃い。 カンファレンスのプログラムをざっと見ればわかるが、 議題はゲームの技術的側面やデザイン、アート面だけに留まらず、ビジネスモデル等の経済的側面、 多人数マルチプレーヤーオンラインゲームにおけるコミュニティ形成の ケーススタディやら、暴力的描写の必要性と影響などの社会的側面等にも及ぶ。 最先端の技術をコンシューマーレベルに落とし込むことに燃える人々と 新しい表現形式を求める人々のenthusiasmが渦巻いていた。 いや、端からみたらNerdの集団だったかもしれないけど。

かのDanny Hillisによるkeynoteは非常にinspiringであった。 時間があったら明日以降まとめてみる。

以下雑感。

keynoteでX-BOXを嬉しそうに発表するBill Gatesはある意味キュート。 プレステ2への対抗意識をむき出しにするとこなんかがとっても素直。 しかし事前の噂以上の情報はあまり無し。 対するSCEAのPhil Harrisonのkeynoteは先行者の余裕を見せてか 他社への言及はなかったが、こちらもあんまり新しいことも言わなかったな。

Massively Multiplayer Online Gameに関するセッションはどこも満員。 しかし、この分野はまだ未知数のところが多すぎ。 ところでUOの平均プレイ時間は月80時間だそうで。これは一回繋いでちょっと試して やめてしまうユーザーまで全てを含めてこの数字。ディレクター本人も言っていたが、 ちょっとscaryな話ではある。

ミドルウェアベンダーの参入はすごい勢い。ハイエンドマシンでリアルタイムCGや シミュレーションをがりがり書いていた錚々たる面子がコンシューマ市場に来ている。 小さなスタジオでも、方向性をしっかり持っていれば、これらミドルウェアの利用で 全く新しいものを作れる可能性がある。

日本人の参加が、その市場規模のわりに少なかったような印象。 北米、ヨーロッパでは、ゲームはいろんな分野から人を吸い寄せ、いろんな分野に影響を 及ぼしつつある。日本国内で既存市場だけを相手にしてごちゃごちゃ言ってると 置いてかれるよ。

携帯器、無線通信に関する話をあまり聞かなかったのは意外。気付かなかっただけかな。

3/6 (Mon) 選り好みくす

昨日のホッケーで手の平を擦りむいたのが、丁度キーボードを叩く時に机につける部分だった。 絆創膏で覆いきれない部分で机を汚してしまうので、紙を手前に敷いて仕事。

本来は、机の手前から20〜30cm奥にキーボードを置いて、 ひじの近くを机につけて手首を浮かせるポジションが好みだ。 手首の自由が効くし、疲れない。 ディスプレイは、フォントをやや大きめにして60cm〜80cmくらい離れて見る。 下手すると一日20時間近くディスプレイを睨んで過ごすので、このくらい離れないと目がきつい。 ただ、会社のデスクではちと奥行きが足りない。仕方無く、体勢を後ろにずらして、 手首を机の端につけて作業している。

自宅の机は自分の好みに合わせて作った。奥行きが120cm近くある。 売っている事務机でこんだけ奥行きがあるのはあまり見ない。皆近くでディスプレイを 見て疲れないんだろうか。

キーボードは会社ではSGIのもの、自宅ではなんかよくわからない中国製のやつを 使っている。キータッチは効率に大きく影響すると思っている。

タッチタイピングが出来るようになったのは大学生になってからだと思うのだが、 というのはそれまでqwerty配列のキーボードを持つPCを所有したことがなかったからで (16進で入れるやつばっか)、秋葉で500円で買ったジャンクのキーボードは速くタイプすると キーがすぐにしぶくなって困った。ところで自己流でやったせいで、ホームポジションを 一つずらして覚えてしまった。左手の人差指がG、右手の人差指がHの上に来る。 これでもtrrの最高得点を学科内で競っていた覚えがあるので、速く打てないことはない。 しかし、必然的にバックスペースやリターンキーが遠くなるため、control-Hやcontrol-Mを 使うことは必須である。

大学でSunを使っていた頃は、CtrlキーはAのすぐ左にあるべきだと思っていた。 SGIを主に使うようになって、しかも出先でカスタマイズできないということを 経験してから、Shiftの下にCtrlがあることを許容するようになった。 でないと仕事にならない。理屈の上では今でもCtrlはAの横にあるべきだと思っているが。

Shiftの下のCtrlは小指のつけねで押すのだ、と言っていた知人もいたな。 私は左手の小指をぐいと曲げて打つ。確かに負担がかかっているような気もする。

数々のハリウッド映画に使われたレンダリングソフトを手掛けて来た 同僚のKさんは、一人で数十万行のコードを書いてしまう化け物のような人なのだが、 手の形に合わせてキーが配置されている変なキーボードを使っている。 メーカー失念。TRONキーボードではない。 一応アルファベット部分はqwertyだけど、ctrlキーは親指で押せるように なってたりする。私も薦められたのだが、一度あれに慣れてしまうと 普通のキーボードが打てなくなってしまいそうだから手を出せずにいる。 予備も含めいくつか買ってあって、仕事場が変わる度に持ち歩いているらしい。

自分に合った環境を追求する道は厳しいようだ。

ちなみに、Kさんのディスプレイは、画面一杯にEmacsが開いている。バッファを縦分割したときに 80カラムが2画面丁度入るようにフォントを選んである。マウスにはほとんど手を伸ばさない。 私もEmacs派だが、上に述べた理由で大きめのフォントを好むので、この戦略は取らずにいる。 そのかわり、仮想デスクトップを広くとって、キー一発で切替えられるようにバインドしている。 ウィンドウを切替える度にマウスに手を伸ばすなんてことはやってられない。


明日よりSan Jose出張のため、更新はしばらくお休み。 日記書きさんと会ったり、 ビルゲイツ見たり、あちこちの会社と内緒のお話ししたりして来る。

3/5 (Sun) 観光客/The Poisonwood Bible

ここ1〜2ヵ月くらい、ワイキキの人出が増えているような気がする。 アラモアナのショッピングセンターも、改装してフロアが増えてるのに人口密度も増えているようだ。 ハワイの産業にとっては有りがたいことである。 ロイヤルハワイアンショッピングセンターで働く友人の話では、 この時期は卒業旅行で増えるらしい。

ハワイ州の全人口100万人。 一方、ビジターで州を訪れる人は月間50万人強。平均10日滞在するとして、街ですれ違う人の 7人に1人はビジターである。ワイキキではもっと多いんだろう。細かい統計は Department of Business, Economic Development & Tourism で見ることができる。(まだ2月の統計は出てない。1月はY2K問題の影響か減っている)。

住み始める前は、これを聞いて観光客がうじゃうじゃいるんじゃないかと思っていた。 しかし実際に住んでみると、何ということもない。どこ行っても生活は生活だ。 海に行けば鯨がいて、山に行けばネネがいて、ワイキキにゆけば観光客がいる。 そういうふうになっている。

ただ、ローカルの友人も出来て、この島の暮らしのいろんな部分が見えて来た今、 経済は維持されて欲しいと思う。観光業だけに限らないけれど。 若い世代が島に限界を見て出て行ってしまうのは寂しい。


Barbara Kingsolver: "The Poisonwood Bible" 読了。 ただひたすら圧倒された。扱っている題材と、ストーリーと、 ストーリーテリングの全てに。感想を書きたいけど、自分には無理かも。

世界がわかった気になるのは欺瞞。世界をわかろうとしないのは罪。

3/3 (Fri) コンサート/恋愛

久々にコンサートに行った(というかこっち来てから初めてだ)。 フランスから来た、ピアノトリオとクラリネット。 曲目はBartokとRavel、それからOliver Messiaenという人の4重奏。 ピアニシモでノンビブラートの弦楽器の消え行くような高音が、 延随の辺りを直接刺激する。キモチイイ。

* * *

大学に入ってすぐに、オーケストラに入って笛吹きをマスターしようとした ことがあったけど、挫折した。楽器代、レッスン代、合宿に演奏会。まあ金のかかること。 それまで貧乏が板についた演劇部で、「買えないなら自分で作れ」をモットーと していた私にはあまりに馴染めない世界で、程無く辞めて芝居に走った。 後から考えれば、頑張ってバイトすれば何とかなる話だったのだが、 結局、そこまでの努力を費すほど真剣にやりたいと思っていなかったと言うことなのだろう。 卒業後プロになる人も少なくないそのオケが目指すゴールに対して、 私はてんで甘ちゃんだったわけだ。

それでも、自己流で好き勝手にやって来た自分にとって、 それだけでは到達出来ない世界があるということを知ることが出来たのは収穫だった。 自分なりの工夫なんてことを始められる地点に行くまでに、既に踏み固められた道を 延々と登らなければならない世界。まあどんな分野でもそれは共通だろうけど、 高度が低いうちからちょっと脇道を自分で探検できたりする道の方が気分的には楽だからね。

そういうまっとうな修行を諦めた自分にとっては、きちんとそれをこなして更に その上に行こうとしている人はそれだけで尊敬の対称だ。


やっぱりLinuxが動いたとか、スイッチングハブでぶんまわして 並列計算できたかとか… (3/4) って、そういう話ができる立場の人が 公に報告出来るようになるには、もう少し待たないと。もう少しね。

自作派の私としては、ノンライセンシーでも内部をハックしていろいろ出来る キカイが好きなのだけれども、商売ってのはいろんな事情が絡んでくるみたいで、 難しいやね。将来はオープンな方向に流れて欲しいのだけれど。


落ちる恋とする恋。 なるほどなるほど、と頷く。私も20代後半からは「落ちる」ことは無くなったカモ。 この人と人生終わるまで付き合ってゆけるかって考えるようになったのは確か。

基本的に、一目惚れでこれまで来たし、それが重要だと思っている。 そこで「落ちる」瞬間はある。でも、惚れた後すぐに突っ走るんではなくて、 ひと呼吸置いて考える余裕は出て来た。それを、情熱が枯れてきたと形容できるのかもしれぬが。 恋愛よりも大切なものがあって、ゲームみたいな恋愛に時間を費している 暇は無いと思うようになった。

条件というものがあるとすれば---それぞれが最も大切にするものをお互いに理解 できること (内容を理解する必要は無く、それを大切にしているのだという姿勢を理解 する)、それから「人は変わる」ということを十分承知していて、 その上で二人一緒に変化してゆこうと思えることかな。まあ結局、結婚を前提に 条件で選別していると言われればその通り。でも刹那的なものであっても、 この2点が共有出来ない人とは深い付き合いは出来るとは思えない。

ということを考えるようになったのは、やっぱり25くらいまでに色々 経験してからのことだなあ。 相手もそのへんの葛藤を通り抜けて来た人でないと話がかみ合わないと思う。

3/2 (Thu)

トラブル対応に追われて本業があまり進まない。いやトラブル対応も本業のうちか。

昨日触れた広報記事のdraftがメイルで送られてきた。 何か、まるでこのシステムひとつでプロダクションの屋台骨を支えているみたいにも読める。 まあベンダの広報に使うやつだから仕方無いんだけどねえ。一応 "all 〜" とあったのを "almost all 〜" に直してくれるようメイルしといたけど、その後やっぱり "most of 〜" にしてもらったほうが良かったかなとか細かいことで悩んでみたり。

確かにこのシステムが無ければ、まあ想像したくない混乱に陥っていただろうけど、 他の要素もそれは同じこと。200人でものを作る時、一人一人の貢献は1/200のジグゾーパズルの 1ピースではなくて、むしろ全体が掛け算で作られるのだろう---ひとつでもゼロがあると全体が ゼロになる。だから、誰の視点でもその人が主人公の「モノ作りの物語」が組み立てられる。

3/1 (Wed) 取材

某社のシステムを使ってソフトウェアを書いているのだが、 昨日、導入事例ということでその会社の広報から取材があった。 取材と言っても電話インタビュー。まあ2年以上も使っているんで、テクニカルな面では それなりに蓄積もあり、べらべら喋ってたんだけど、 「Did you have any surprise, or an episode worth to mention?」という質問に 困ってしまった。エピソードって言ってもなあ。夜中の3時にサーバプロセスが落ちて、 電話で起こされてメンテに行ったとか、バージョンアップしたら不安定になって スタッフ2人交代で24時間体制で監視したとか、まあそれはほとんどの場合その会社の システムのせいじゃなくてうちらがコーディングした部分のせいなんだけど、 キャッチィなエピソードとは言い兼ねる例しか思い浮かんでこなかったので。 自分が多くの時間を費した仕事に対してそういう話しか思い出せないというのは ちょっと寂しいかも。

でも全体的に喋った内容は気に入ってもらえたらしい。「これおもしろいわよ。今度の ユーザーグループミーティングでプレゼンしてみたら? Call For Papersを送るわね。」 という話になった。まあ、こんな経験でもまとめることで何かの役に立つのなら、 それは嬉しい。作ったもの自体の出来は決して悪くないと思っているし。アプライしてみるか。

CFPを見たら、program committeeの委員長はK大のY先生だった。 数年前、院の頃にかかわっていた重点領域研究で少し一緒になったことがある。 覚えておられるかなあ。思わぬところで再び出会ったとき、「あれからこんなことを やっていたんです」と見せられるものがあるのは良いことだ。


日付が変わったところで、日本からハッピーバースデーコール。私の配偶予定者(東京在住)が 私の実家に行って私抜きで妙に盛り上がっている。海外をふらふらしている息子に代わって 親孝行をしてもらってるようだ。


[前月][次月][一覧]:[表紙][映画][King][BBS]

Shiro Kawai
shiro@lava.net